ちょこちょこ大作戦
「和美頼むよ〜。どうしても穴をあけるわけにはいかないんだから。」
朝倉和美は、知り合いのまほスポ編集長から記事を頼まれていた。
「でも、バレンタイン直前特集なんてどうやって書くんだよ?」
「うちはある程度適当でも、それっぽければ、OKだからさ頼むよ〜。」
和美はしばらく考えた。そして、ふとひらめいた。
(うちのクラスがやりそうなことを書けば、それなりのができるんじゃ!)
「それならどうにかできそうだ。」
そう答えると彼女は執筆を開始した。
二日後、まほスポが発売され、生徒たちはバレンタイン直前特集をみて、対策を練り始める。
これは、その記事とクラスメイトのリアクションである。
衝撃のバレンタイン。こんな女の子は引かれるぞ!
恋のおまじないと勘違いして、変な儀式をしながらチョコ作っちゃダメだぞ。
黒魔術じゃないんだから。
まきえ「そうなんだ〜。」
亜子「まきえやったらあかんからな。」
まきえ「ふつうに作る。」
亜子「それでええんや。」
手作りマフラーや手袋とか送ると重い女と思われるぞ。
どうしてもマフラーや手袋をあげたいなら市販品が無難だよ。
編み物をしながら、まほスポを読んでいたのどかは編み棒を落としながら衝撃を受けた声を出す。
「そうなのゆえ…。」
「のどかの一生懸命がんばる姿を見てきて、なかなか言えませんでしたが、ここは、のどかのためにはっきりいうです。手作りマフラーをもらったら、ネギ先生は負担の重さに潰れるかもしれません。そして、下手したら、今までの関係が崩れる可能性もあります。ですから、ここは、押さえて市販のマフラーにするです。」
「うん。そうするよ。」
ラッピングは熨斗と水引はダメよん。お歳暮じゃないんだから。
刹那「ヘッ。そうなんですか?」
アスナ「うん。世間じゃそうなってる。」
このか「うちがラッピングはしたるからな。」
刹那「ありがとうございます。」
ホワイトデー三倍返しキャンペーンはやめよう。とくにそう警戒されがちな人は最初から、妥当なラインの要求をしておくと吉。で、ないと、浅ましい女に思われるぞ。
「チッ!そうなのか…。」
「世間ではそのようです。だいたい二割り増しくらいが相場かと。」
「それくらいで我慢するか。」
最後に戦艦大和よろしく巨大豪華チョコはやめようね。
男の子持ち帰れないし、大きさで引くから。
あやか「そういうものですの?」
執事「そうでございます。過ぎたるはなお、及ばざるが如しといいますし。」
あやか「では、常識的サイズをお願いします。」
以上を守って楽しいバレンタインデーをすごそうね。じゃ、バイチャりん。
こうして、みんなが常識を守った結果、ネギは当日困惑することはなかった。
3Aのデータベース。朝倉和美。
彼女はやはり恐るべき女である。